生産性:Sam Altmanが考えるそれ
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Sam Altmanのブログ記事Productivityがむちゃくちゃおもしろい。7年前の記事だけど今こそ必読だと思う。
間違った方向にどれだけ生産的でも全く意味がない / Independent thoughtの重要性
Sam Altman.icon It doesn’t matter how fast you move if it’s in a worthless direction. Picking the right thing to work on is the most important element of productivity and usually almost ignored. So think about it more! Independent thought is hard but it’s something you can get better at with practice.
「いかに速くこなそうともそれが価値のないことなら意味がない。本当に取り組むべきものを選ぶこと。それが生産性において最も重要なことであり、それにもかかわらずほとんど顧みられないことだ。だから何に取り組むべきかをもっとよく考えよう!誰にも寄りかからず自分で考える。難しいことだけど、練習あるのみだ。」
これをサム・アルトマンが言ってるのはすごくおもしろいなと。AI AI言うけれど、大事なのはますますIndependent thoughtになるに違いない。OpenAIのCEOがそう言ってるってめちゃくちゃヤバない?
本・人間・自然
Sam Altman.icon I make sure to leave enough time in my schedule to think about what to work on. The best ways for me to do this are reading books, hanging out with interesting people, and spending time in nature.
「何に取り組むべきか。考えるための時間を自分は予定に十分組み込んでる。自分にとって一番いいのは本を読むこと。興味深い人たちと一緒にいること。そして自然の中で過ごすことだ。」
ChatGPTを毎日触っていて、奇しくも自分もサムアルトマンと同じ結論になってたので、この部分もめちゃくちゃ刺さった。「逆にAIとつながらないまとまった集中の時間をいかにつくるか」こそが逆説的にAIを使いこなす最大のコツ参照。
そこで自分もまったく同じことを書いてる。AIは必ず返答をする。その異常さに気づいたら「そうではない」もの、すなわち「返答がないもの」や「返答が必ずなされるわけではないもの」の価値が高まる。それは何かと言うと本、人間、自然だ。
サムと俺、同じこと言ってんだよね〜と言うとめちゃくちゃ偉そうだが、このサム・アルトマンの投稿は7年以上前。つまり、天才と自分のような凡人はこんなことに気づくのに7年の差があるってこと。
誰が何が好きなのかを把握する
Sam Altman.icon I’ve learned that I can’t be very productive working on things I don’t care about or don’t like. So I just try not to put myself in a position where I have to do them (by delegating, avoiding, or something else). Stuff that you don’t like is a painful drag on morale and momentum. / By the way, here is an important lesson about delegation: remember that everyone else is also most productive when they’re doing what they like, and do what you’d want other people to do for you—try to figure out who likes (and is good at) doing what, and delegate that way.
「好きじゃないこと、興味のないことに取り組んでめちゃくちゃ生産的になるのは無理だって学んだ。だからそんなことをしなければいけない状況に自分が陥らないようにした。他人に任せたり、ただただ避けたりとか。好きでもないことって苦痛だしテンションもモチベもサガる。とするとここで「任せる技術」についても重要な学びが得られるな。自分だけじゃない。誰だって好きなことをしているときがもっとも生産的なんだ。自分がしてほしいことを人にもしてあげよう。誰が何が好きなのかを見極める。そうやって「任せる」と上手くいくよ。」
これもなあ。前段の「嫌なことはやらない」のほうにフォーカスしがちだけど、よりすごいのは後者だと思う。つまり「だったら僕以外のみんなも同じだよね?」。
要するに、①自分の生産性を高めようとしたら=自分の思う通りにしようとしたら、②自分がしたくないことはすべて他人に任せるべき!という超自分勝手な結論になるのだが、そうしようと思ったら、③他人にはその人の好きなことだけやらせるべきとなり、ってことは、④その人が何が好きなのかを常に把握しなければならず、要するに⑤周囲の人たちの関心事を常に理解しようと努力する=他人のことを一生懸命考えなくちゃいけないってこと。
紙のリストを徹底活用
Sam Altman.icon My system has three key pillars: “Make sure to get the important shit done”, “Don’t waste time on stupid shit”, and “make a lot of lists”. / I highly recommend using lists. I make lists of what I want to accomplish each year, each month, and each day. Lists are very focusing, and they help me with multitasking because I don’t have to keep as much in my head. If I’m not in the mood for some particular task, I can always find something else I’m excited to do. / I prefer lists written down on paper. It’s easy to add and remove tasks. I can access them during meetings without feeling rude. I re-transcribe lists frequently, which forces me to think about everything on the list and gives me an opportunity to add and remove items. / I don’t bother with categorization or trying to size tasks or anything like that (the most I do is put a star next to really important items).
「自分のタスク管理システムは3つの柱でできてる。「大事なことを絶対やりきる」。「くだらないことに時間をムダにしない」。「とにかくたくさんリストを作る」。リストを作るのは本当にオススメ。自分は、毎年、毎月、毎日、それぞれ達成したいことをリストにしてる。リストは本当に集中力を上げてくれるし、頭の中にたくさんのことを詰め込まなくていいから、マルチタスクもしやすくなる。あるタスクの気分じゃない時も、リストを見れば、やる気が出る別のことがすぐに見つかる。紙に手書きでリストを作るのが好きなんだよね。紙だとタスクの追加も削除も簡単だし、ミーティング中でも気まずくならずにさっと確認できる。あと、頻繁にリストを書き直すようにしてるんだけど、そうすることでリストの内容を常に見直す機会になって、「やっぱりこれはいらないな」とか「あ、これも追加しよう」とか気づきやすくなる。ちなみに、タスクの細かい分類とか、タスクのサイズを決めるとか、そういう面倒なことは一切しない(やってもせいぜい超重要なタスクに★マークをつけるくらい)。」
サム・アルトマン意外とアナログ派なんだよな。これも最近アナログであることのメリットを見直してる自分には共感しかなかった。
デフォルト時間を採用しない
Sam Altman.icon I find most meetings are best scheduled for 15-20 minutes, or 2 hours. The default of 1 hour is usually wrong, and leads to a lot of wasted time.
「ほとんどのミーティング(会議)は15-20分か2時間に設定するのがベスト。1時間というデフォルトはたいていまちがってるし、大量の無駄時間につながる。」
これも会議の時間についての示唆でもあるのだが、より重要なことは「通常そうなってるからといってその時間をそのまま受け入れない」ことかなと。「結局、一番いい時間って何分やねん」って自分で考えて設定してる。
生産性ポルノ
Sam Altman.icon Also, don’t fall into the trap of productivity porn—chasing productivity for its own sake isn’t helpful. Many people spend too much time thinking about how to perfectly optimize their system, and not nearly enough asking if they’re working on the right problems. It doesn’t matter what system you use or if you squeeze out every second if you’re working on the wrong thing.
あと、「生産性ポルノ」みたいな罠にはまるなよ。生産性を上げること自体が目的になったら意味がないんだ。多くの人が、システムを完璧に最適化する方法ばっかりに時間を使ってしまって、「そもそも自分は正しい問題に取り組んでるのか?」って考えることをほとんどしてない。どんなシステムを使っていようが、どんなに1秒たりともムダにしなくても、そもそも取り組んでることが間違ってたら、全部ムダだからね。
AI時代はAIがすべてを加速させていくのだが、無駄なことを効率化するという最大限無駄なことすらAIは最高まで加速する。だからこそ「何に取り組むか」が最大の重要事項になる。AIのまとめがヘタな人とかまさにこの典型だなと。
生産性だけにこだわるのは生産性低い
Sam Altman.icon Don’t neglect your family and friends for the sake of productivity—that’s a very stupid tradeoff (and very likely a net productivity loss, because you’ll be less happy). Don’t neglect doing things you love or that clear your head either. / Finally, to repeat one more time: productivity in the wrong direction isn’t worth anything at all. Think more about what to work on.
「生産性を追い求めるあまり、家族や友達をないがしろにするのはマジでバカなトレードオフだと思う(しかも、結局不幸になるから、生産性自体も落ちることになる)。自分が好きなこととか、気分転換になるようなこともおろそかにしちゃダメだよ。最後に、もう一度言うけど:間違った方向にどれだけ生産的でも全く意味がない。だから、「何に取り組むか」をもっとよく考えよう。
これだけ効率厨がよく言うよw とも思ったが、サム・アルトマン、とにかく賢い。本当の意味で賢くて知性がある。だからだいたい結論が逆説的かつ常識的になる。イーロン・マスクなんかとはまったく違うなと。